もう、20年前になってしまったが、
建築史家の三宅理一さんから聞いた言葉が
いまだ心に残っている。
「建築家の内側からいやおうもなく湧き上がってくる、
内的必然性に基づいてつくられている建築はほんものだ。」
という言葉。
ものつくりは、内側かほとばしるものをもっていないと
事実成り立たない。
だれかれがああやっているから自分はあれとこれをたして
2で割ったようなものをつくというような外的要因に
よってつくられるものにはベクトルや強度はあるはずもなく
ひとのこころを動かすものはできない。
この20年そのことばを自分の中で反復しながらものづくりを
してきた。おそらくこれからも同じようにやっていくだろう。
写真は、まさに20年前の1985年に三宅理一さんが書いた
「愛の建築譚」いう本である。
あのころはいいものもわるいものもうごめく変な時代だったが、
妙にバイタリティのある時代だった。
もう一度読み返してみよう。