世の中、同じ方向を向いていたり同じ目標を達成しようとしているのに
無駄に対立していることが多すぎる。
いつも、住宅の設計にとりかかるときに自分の中で再確認することが
ある。それは住まいづくりの目的についてです。クライアントのご家族が
末永く幸せに快適に過ごしてもらうための器をつくること、これが唯一の
目的である。
ものすごく当たり前なことだが、どうもクライアントも設計者も工務店も
ついつい忘れがちなことのような気がする。この目的さえ見失わなけ
れば、クライアント・設計者・工務店が対立することなく、目的に向かって
知恵と力を出し合っていけば必ず快適な住まいづくりができるはずだ。
住まいづくりは、選択・決定の積み重ね。だから、自分たちになにが
必要かを見据えて、住まいに取り入れていくものの優先順位を
決めることが、円滑に計画・建設を進めていくための重要なポイントに
なる。それをクライアントと設計者で対話し、絞り込んでいく。
馴れ合いになることなく、適度な緊張関係を保ちながら、クライアントと
設計者で対話しながら計画を進め、現場に入ってからは工務店も交えて
唯一の目的のためにみんなで対話しよりよいものをつくり上げていく、
こんな関係で仕事を進めていきたいといつも考えている。
こうして出来上がったものは、住みはじめてからもメンテナンスという
場面で効力を発していくものと思う。
