rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

ナガレヤマ・ナイト


きのうは、流山の「DO-HOUSE 3」half-builedのオープンハウス。
そのあとは、恒例の押しかけパーティ「ナガレヤマ・ナイト」。


Aご夫妻にはじめてお会いしたのは、2003年の12月だった。
体調が悪く打ち合わせ中に鼻血を出すという失態をさらしてしまった。
それにもかかわらず、設計を依頼していただき、きのうに至った。


同じ敷地に前に建っていたお住まいは、子供部屋の増築をはじめ
ご主人自身の手でつくり上げられたものだった。
ご主人のみならず、奥様、息子さんたちの歴史そのものの住宅であった。


打ち合わせの中で、完成した住宅ではなく、
自らも建設に参加できる住まいをつくりたいという要望があった。
私としては、工事の責任、区分け等のことも考えて、
できる限り工務店さんにお願いしたほうがいいのでは
といいながら設計が進んでいった。
その話をするたびに、ご主人の顔から明るさが消えていった。


それが反転したのが、工事費の見積りが出てきたときだった。
予想以上に金額がオーバー、そこでご主人が、しょうがないなあ、
俺がやってやるか、ということになる。
そんなことをいいながら、ご主人の顔には希望の光が浮かんでいた。


てなことで、ご主人担当工事は、内部工事、つまり、床、壁、天井の
下地から仕上げまでをすべてやるということになる。
工務店の社長の理解もあって、工事が始まった。
去年の夏からきのうまで、挫折もありながらも立ち直りを
繰り返しながら完成に至る。
ご主人の名言、「下地は楽だが、仕上げはつらい。」
下地工事は、仕上げで直しが利くが、仕上げは一発勝負だから
精神的にかなりつらいという意味である。


これから、またこの家もご家族の歴史を刻んでいくことだろう。


とにかく、Aさんご夫妻、完成おめでとうございます。
これからもお付き合いさせていただくつもりですので、
今後ともよろしくお願いいたします。


最後になりましたが、工務店社長のSさん、現場監督のSさん、
工事関係者の皆さん、そしてスタッフKさん、ほんとうにありがとう。


E LA NAVE VA・・・・・・