rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

昨今の建築設備の進化は速すぎる


建築設備の進化には、調査を怠って入ると
ついつい置いて行かれてしまうことがある。


とくにここのところのエアコンの進化には驚いてしまう。
ついこの前までは、冷媒管とドレイン管の2本だけだったのに
一昨年あたりに、加湿管、去年あたりに、酸素管、
そしてつい最近では、自動的に掃除した埃を排出する管まで
必要な機種が現れた。


なんと2本だけだった配管が、ここ数年で5本も必要になったのだ。
配管を見せない隠蔽配管するときには、どの機種を使うか
フィックスしていないとえらいことになる。


つぎに、配管関係に影響のある進化をするのが、浴室である。
浴室暖房乾燥機、ミストサウナ、ジェットバス、など
どんどん進化している。


配管の心配はあまりないが、トイレ、キッチンの進化も
見逃せない。


床暖房は、種類がまともなものからあやしいものまであまたあり、
すべてを把握しきれない。


これらの進化に比べると、照明機器は安心して見ていられる。
進化したのは、タッチセンサーやリモコンくらいだけだろうか。


話は少しずれるが、
これまた先が見えないのは、TV、インターネット、電話、
などの通信関係である。どこへ向かうのか見当がつかない。


また、ガス屋さんは発電するし、電気屋さんは水素をつくるし、
エネルギー関係もわけが分からなくなっている。


このように建築にまつわる設備は日々進化し続けている。
なるべく新しい情報を取り入れようと努力しているが、
ものによっては、クライアントの方のほうが早く情報を
仕入れられていることが最近よくある。


これらは、インターネットの普及による効用である。
いまでは、新しい商品を紹介するのではなく、
じっくり調べて長所短所を的確にクライアントの方に示すのが、
われわれの仕事になりつつある。