rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

ジャン=ジュネの「女中たち」


きのうは、午前中さいたま市の敷地を見た後、
午後事務所にて、スタッフとの打合せ二本。


メールを書いたり、事務作業を済ませて、夜、
中野WESTEND STUDIOウエストエンドスタジオで、
ジャン=ジュネ作の芝居「女中たち」(演出:
平田朝音)を観る。


出演者は、女中姉妹(クレールとソランジュ)
と奥様の計の3人。罪に問われて拘束されている
不在の旦那様と外出中の奥様をめぐり、旦那様を
密告した罪深き女中の心の動き、御主人様に
対する反逆心を、クレールが奥様に、ソランジュが
クレールに扮するロールプレイでメタフォリカルに
表現していく。


そうこうするうちに、旦那様から釈放されたとの
電話が入る。ふたりはハーブティー睡眠薬を混ぜて
奥様を殺すことを思いつく。ソランジュが旦那様を
迎えに外に出ている間に、クレールが奥様に睡眠薬
飲ませようとするが実行できず。


その後、奥様と旦那様は外出し、ふたりは再び
ロールプレイを試みる。だが思うようにプレイを
進められない。ソランジュがクレールを殺した
という設定でソランジュのプレイが始まる。クレールが
再び登場し、ふたりの心の葛藤が演じ続けられる。
クレールは睡眠薬入りのハーブティーを飲み自ら
死を選ぶ。そして、幕・・・。


善と悪、聖人と罪人、あらゆる対立するものが、
不在と実在を軸に暗示されるスリリングな芝居だった。
今風のアレンジがテンポ良く、舞台美術もシンプルだが
空間が的確に表現されていた。演出家いわく最低の
日だったらしいが・・・。


芝居の後は、沖縄料理系寿司屋でオリオンビール
泡盛で盛り上がる。


写真は、芝居のチラシ。ダリっぽくシュールレアリス
ティックな素敵なデザインである。(長尾祥子さん作)