rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

ランドスケープ・トレーダー


最近、不動産について考えさせられることが多い。
建築を建てるときの根本的なトラブルとして、
不動産屋さんの説明不足や認識不足による問題の
発生が最近とみに目に付くのだ。不動産屋さんの
責任ではなく、売主の責任によるものだと思うが、
ここ何件かの物件で地中障害物に悩まされている。


すべての不動産屋さんが悪いのではないことは
重々理解している上での話である。不注意な不動産
屋さんが増えているのだろうか。


もちろん、土地の問題点やマイナス面を的確に説明
した上で、土地購入の判断を仰ぐ良心ある不動産屋
さんも数多く知っている。


不動産屋さんは、単に土地を売買して商売する人
ではない。実は、まちをより豊かにしたり快適に
することを、緩やかにだが誘導していく可能性を
持っている人たちだと思う。


土地は、広さ、道路付け、方位といった物理的
側面のみならず、まちの景観や社会や歴史に大きく
関わるものである。


実は、不動産屋さんはそれらのものもひっくるめて
トレードする人なのである。


そこで、新たな不動産屋さんの名称として思いついた
のが、「ランドスケープ・トレーダー」である。