rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

やっぱり鉄が好き


先週、横浜の住宅「FU-HOUSE 12」topographyの
鉄骨製品検査に町田の鉄工所に行ってきた。


なんど行っても、鉄工所はいい。火を使って鉄を
くっつけていく作業がなんともいえない。火は人の
心になにかを湧き起こす。料理も火を使って調理
するところに意味があるような気がする。火と水は
人の想像力を刺激するのだ。


だから私は、朝風呂で水(お湯)につかり、火を
見ながら料理する。人間の根源的なものに触れる
瞬間だ。


鉄骨の検査には、むかしは現寸検査と製品検査が
あった。現寸検査とは、鉄工所の2階の大きな黒板
を床に敷いたような現寸場という場所があった。
納まりが難しい部分を現寸で床に白墨で描き、
型紙を取り、それをもとに鉄骨を加工していた。
いまでは、コンピュータで精度が出せるので、
ほとんどの鉄鋼所では現寸検査は行わなくなった
ようだ。


そんなことで、鉄工所に行く機会は製品検査しか
なくなってしまった。現寸場の冬とてつもなく寒くて、
夏死ぬほど暑い過酷な環境がいまとなっては懐か
しい。