rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

静岡おでんに思うこと


8/13から8/19まで、夏休みをとった。ことしは、いつもと
ちょっと違う趣向。子供は、8/8に東京に住む姪にさきに
実家のある鳥取に送り込んでもらい、親たちは、電車で
途中下車をしながら、鳥取を目指した。


まず、初日8/13。午前中の新幹線に乗り、静岡を目指す。
そして、在来線で焼津へ。町中をぶらぶら歩き、港近くの
居酒屋で昼食。刺身が新鮮で、なかなかおいしい。


静岡に戻り、ホテルにチェックインし、駿府城祉あたりと
繁華街を散歩。夕方、駅ビルの居酒屋で夕食。静岡おでん
という文字がまちを歩いていて気になっていたので、最初
に頼んでみる。結構期待していたのだが、なんてことは
ない、ふつうのおでんに青海苔と鰹節がかかっただけの
もの。違うところがあるといえば、黒はんぺんが入って
いるということだけだろうか。まあおいしい、おでんだと
思うが、静岡おでんと銘打つくらいだったら、もうちょっと
ひとひねりあるといい。それも、静岡性の際立つやつが
・・・。


各地のひとひねり名物おでんという企画は、結構いける
かもしれない。北海道おでんならば、みそコーン味、マトン
スジ入り。秋田おでんは、はたはた入り。仙台おでんは、
牛タン入り。名古屋おでんは、赤味噌仕立て、きしめん入り。
明石おでんは、たこ焼き入り。博多おでんは、とんこつ、
紅生姜入り。鹿児島おでんは、黒豚入り。沖縄おでんは、
ゴーヤ入り。インドおでんは、カレー味・・・。ここまで
書いて、自分のアイデアにもひねりがなく、勢いに欠ける
ことに気が付き、ちょっとげんなり・・・。


ここまできて、なんとなく、各地で、つくられる「特産品」
の限界が見えてきた。発想が、地元にあるなにかと別の
なにかを足すという、単純な原理でだいたいの特産品は
つくられている。つまり、横軸に並ぶものを足したり
引いたりすることでなにかを生み出そうとしているのだ。
それではいけない。「おでん性」をとことん追求するか、
「おでん性」が消滅するぎりぎりのところを攻めたり、
縦軸で考えなければユニバーサルな「特産品」を生み
出すことはできない。


いま、「特産品」に求められているのは、この縦軸を追求
した「ユニバーサル」に通じる「突き出た部分」のような
気がする。


静岡おでんから、こんなことを思いついた。