rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

いいものは、寝かして、発酵させて、よりよくなる


建築の設計をしていて、一発でいいアイデア
出ても、しばらく置いていると、だんだん
つまらないものに見えてくることがある。
つくっているときは、自分は天才ではないかと
思いながらつくっているのだが、翌日見ると、
情けないものにみえる。


真夜中のラブレターのようなものである。真夜中
のラブレターも、一晩寝かしておかないとおっか
ないように、デザインも寝かしておくことが必要だ。


何日か、寝かしておいても、見るに耐えるもの
ならば、それはなんらかの強度を持ち合わせて
いる。


しばらく、寝かしておいて、別のことを考えて、
再度それを見てみると、そのものが持っている
違う可能性が見えてくる。再度デザインを考えて
みる。これが発酵作業である。


それを、寝かして、強さを発見し、さらに発酵
させることで、より強く、よりよいものになって
いく。