rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

キホンセッケイハ、クルオモシロイ


建築の設計には、建築の概要を決める基本設計
と、設備や細かい使い勝手等を決める実施設計
という、2つのステージがある。


クライアントにとっても、設計者にとっても最も
エキサイティングなのは、基本設計である。どの
ようにこの建築で生活していくかを、なにもない
ところから、クライアントと設計者の対話の中から、
具体的な建築空間を紡ぎだしていくのである。
おもしろくないはずはない。


設計者側から見ると、クライアントの矛盾する
こともある要望を、デザインのフレームとシンクロ
させていく作業ということもできる。一瞬に案が
まとまることもあれば、しばらく、空白のまま、
からだに浸透し、はまるべきところにはまるもの
が定着していくのを長い時間待つこともある。


イデアがまとまるときは楽しくて仕方がないが、
それまでの待つ時間は、まとまるだろうかという
不安という妄想もこころのスキマから湧き出して
くることもあり、結構苦しい。


この不安も、3つめとなると、あたまの中も破綻
するが、いま考えなければいけないのは2つ。2つ
のプロジェクトの間を寄り道しながら行ったり
来たりしながら、待つ時間の苦しみをなんとか
なだめながら、デザインすることができる。


この感覚がちょうどいい・・・。