rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

日本建築ツアー二日目


11/5(月)朝、三朝温泉を離れる前に、堀口捨己
設計の旅館後楽を外から見る。いまはもう使われ
ていないとのこと。アポなし訪問なので外観だけ
見てバスに乗る。


そのまま、岡山県に入り、吉備津神社を目指す。
が、改修中で外観内観とも見ることができず、工事
仮枠に貼ってあった外観写真の前で、みんなで
記念撮影。


つぎに、後楽園を訪れる。30数年ぶりだが、当時
の記憶にたがわず、平坦なおもしろみのない庭園
である。兼六園のほうがシークエンスが考えられ
ていて味わい深い。そうこうしていると、雨がポトポト
降ってくる。うちのスタッフの携帯が鳴る。なんと、
岡山に嫁いだ元スタッフKからの電話である。どう
やら、後楽園にいるらしい。いまだ、彼女の雨パワー
衰えず。恐るべし。


後楽園を後にして、アントニン・レーモンド設計の
ノートルダム清心女子大学をみる。教会棟は、初期
のRC造作品である、オーギュスト・ペレが設計した
ノートルダム寺院を髣髴とさせるデザインである。
いいものを見ることができた。


そして、岡山を後にして、倉敷に入る。まえまえから、
避けてきた、張りぼて風の街並み。意外と観光には
フィットしているが、自分の肌には合わない。評価
できるのは、大原美術館、アイビー・スクエアを結ぶ
役目を果たしていることであろうか。


それにしても、大原美術館の収蔵品は、想像以上に
すごかった。印象派の名だたる画家の作品は、一作
ずつくらいしかないが、ほとんど網羅している。また、
現代に至る作品も精力的に収集しているようだ。一番
驚いたのは、民芸関係のコレクションが充実している
ことだ。バーナード・リーチをはじめ、名だたる作家
の作品の充実していること。丸一日かけて見に来な
ければいけないばいけない美術館である。


居酒屋に移動して、宴会風夕食。大いに盛り上がり、
カラオケボックスに移り、みんなで歌をうたいあい、
またまた、かなりエキサイトする。こうして、雨の倉敷
の夜は更けていたのであった。