rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

ぜいたくな建築って・・・


予算調整をしている建築がいくつかある。
作業を進めながら、考えてしまうことが
ある。ぜいたくな建築ってなんだろうと
いうことだ。


仕上げ材料や設備を充実させていけば、
どんどんお金がかかる。住宅でも、30坪
程度のものでも、数億円程度のものなら
すぐにでも設計できる。より希少で高価
な材料や設備を使えば、すぐにその金額
になる。しかし、これだけではぜいたく
な建築にはならない。


依頼主がちょうどいいと思う、適度な材料
や設備を選択すればいいので、きっと
ぜいたくさはここにはない。


建築に重要なものは、地震などの災害に
強い構造体、適度に暑さ寒さを防ぐこと
ができる温熱環境、なによりその場所と
依頼主にフィットした豊かな空間、の
3つである。この3点さえ備えていれば
快適な建築はできる。


これら3点と、依頼主の趣味と懐具合に
見合った材料と設備が、絶妙なバランス
で組み合わさり、依頼主が出来上がり
使っていくにしたがって、納得できる建築
こそが、ほんとうの意味でのぜいたくな
建築のような気がする。