rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

江戸川公園で花見


きのうは定休日だったが、夕方から、丹下健三
設計の東京カテドラル聖マリア大聖堂を観にいく。


荒木毅氏、伊原孝則氏、鈴木謙介氏、栄港建設の、
今回で2度目になる事務所合同見学会である。


東京カテドラルは、やはり傑作だった。しかし、30年
近く前に観にいったときの記憶は、シェルがもっと
うねうねしていて、有機的な様相を呈した建築と
いう印象だった。


今回、あらためて観てみると、外皮がステンレス
スティール覆われていることもあって、シェル構造
であるにもかかわらず、シェル性を感じさせない
構成的な建築であることに気付く。丹下さんが
やりたかったことは、シェル構造でシェルらしさを
追求するためではなく、シェルの持つ面的な構成で
教会の光を演出することにあったのではなかったか
と思う。


建築は、観る年齢で、全く違ったものとしてみえる
ことがある。ほんとうにおもしろい。これこそが
建築の深さの一端を示しているのだろう。


そのあとは、椿山荘の春めいてきた庭園を抜けて、
江戸川公園へ花見をするために移動する。ちと寒
かったが、スタッフが入り乱れて、建築の話、仕事
の話で盛り上がる。終盤、トイレに向かう途中で、
建築家の手嶋保さんとばったり会い、これまた
建築家の河野有悟さんとともに、われわれの輪に
合流する。終電近くまで飲む。結局、桜は最初の
数分だけしかみていない。


桜は、みんなが集まって飲むための口実なのか
・・・。