rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

建築家として生き抜いていくための戦略


きのうは午前中、葛飾区の住宅のクライアント
打ち合わせ。


午後は、スタッフとプロジェクト打ち合わせ。
そしていくつかのプロジェクトのスケッチ。


夕方からは、建売住宅の打ち合わせ。事業主、
建築家の伊原孝則氏、スタッフ、の計6人での
打ち合わせ。前向きでおもしろい展開になりそう
な予感を感じる打ち合わせであった。


そのあと、伊原氏と彼のスタッフと私の3人で
駅前のカフェで、サラダ、パスタを食べながら、
ビール、ワインを飲む。


ここでも、希望のもてる愉快な話が続く。多くの
建築家が、老いも若きも、建築家像という虚像に
しがみついて、自分の領域から逸脱できない中、
伊原さんという建築家は、現実のしくみに侵入
しながら、しくみそのものを更新していくという、
私が実行している戦略と同じ生き方をしている
数少ない建築家である。自分の周りにもほとんど
こうした考え方を持つ建築家はいない。


建売という状況に関わりながら、世の中を少し
でも豊かにするべく、しくみを更新していく。
そして、建築空間の豊かさをなるべく多くの
人々に伝え、建築家が設計できるフィールドを
広げていく。彼とは、ずっと、建売プロジェクト
で協働していきたいと考えている。ここしばらく、
孤立感を感じていただけに少し気が楽になった。


世の中を少しでも、よくしていくには、上位の
構想をもちながら、末端の現実に関わりながら、
少しずつでも現実を更新していくことが必要で
ある。それができてはじめて、上位のしくみや
制度を変えていくことに取り組める。


つねに自分の立ち位置を確認しながら、自分の
領域を逸脱していくこと。いまこそ、そうした勇気
が必要な時代である。