rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

ついに電子辞書を買う


中学、高校、大学、大学院、と英和和英辞典、
国語辞典、漢和辞典、伊和辞典、独和辞典、
などと辞書を引き続けてきた。引くのが嫌い
ではなく、アンダーラインが増えていくことに
快感すら覚えていた。


仕事を始めてからは、ジェム英和和英辞典と
いう非常に小さい辞典を鞄に入れて持ち歩いて
気になることがあるたびに引いていた。家では
本を読んでいるとき難しい単語が出てくると確認
の意味も込めて、広辞苑や漢和辞典をよく引い
た。


しかし、ここのところ、小さい文字がだんだん
見えにくくなり、本を読んでいて、確認したい
単語があっても、調べないで流れで意味を組み
取るようになってた。いわゆる流し読みである。


最近これにどうにも耐え切れなくなって、電子
辞書購入を考え始めた。最初、店頭に商品を
見に行ったときは、どうやって、モノを選べば
いいか全く見当がつかなかった。何度か見に
行く中で、ある店員さんに尋ねたところ、どう
いう基準がいくつあって、必要なものを明確に
していくと自ずとどの商品を買えばいいかが
分かるような説明をしてくれた。他の何人かの
人からは得られなかった情報だ。


たとえば、収納辞書数、専門用語が検索でき
るか、電源がバッテリーか電池か、画面が見
やすいか、価格はどうか、そして、目的に合わ
せてどのように選択していけばいいか、など
など・・・。


コンピュータや携帯電話をはじめて買うときも
同じようになにを基準に選べばいいか分から
なかった。でも、商品は、売ることを目的で
つくられているわけだから、商品間の明確な
差異化はなされているはずである。それを読み
取りさえすればいいのだが、商品選びの入り口
で店員さんがクリアな回答をしてくれると、その
読み取りがかなり容易になる。物売りの極意を
学んだような気がした。


話はちょっとずれるかもしれないが、これと比
べると、建築家で家を建てるのはもっと複雑で
わかり難い。いくらで、どんなものができるか
わからない状態で、スタートすることに自分を
賭けなければいけない。そんな難しい仕事を
していることにもっと意識的でなければいけ
ない。


この電子辞書には、28冊の辞書が入っている
らしい。これをほんとうに自分が使いこなせる
だろうか。きのう買って、昨夜、今日と使って
みたが、なかなか快適で、おもしろい。