rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

じっくり考えること(遅い思考)


ここのところ、短時間でプランニングを考え
なければいけない状況が続いている。短い
時間でアイデアが出てくるからまだいいが、
これを続けていると、思考がルーティン化
していくのが分かる。


思考の速さも才能の一つだが、思考の遅さも
もう一方の才能である。


思考の速さは、身の回りのものごとを抽象化
し、さまざまな事象をタイプ化していく。それ
によって高速化が図られるのである。タイプ
化ということばが示すように、ルーティン化
の危険をつねにはらんでいる。


一方、思考の遅さがもたらすものは、事象を
動かしている原型のようなものを見つける
ことにある。遅ければ遅いほど本質をつかむ
ことができる可能性が増す。


ときどきは、思考を遅くさせ、じっくり考える
時間を持たなければいけない。


●写真は、事務所のゴーヤ。ここのところの
天気でどんどん伸びてきた。ついに花も咲い
た。収穫間近だ。