rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

奈良の鹿


先月忙しい中、家族で奈良へ行ってきた。
30年ぶりの奈良である。そのときは、2月
のもっとも寒い時期で、室生寺は自分以外
に2人、石舞台の周辺にいたのはは自分
だけという、寂しい旅であった。


今回は、紅葉真っ盛りでどこもものすごい
混みようであった。帰りの京都駅新幹線
ホームは、東京のラッシュアワーなみの
人であふれかえっていた。


話は変わって、奈良の鹿。以前は、ただ鹿
がいるな〜というだけの印象しか残らな
かったが、今回は、町中のいたるところに
いる鹿の存在が異様に気になった。町中に
人間と共存している動物といえば、カラス、
鳩、猿くらいだろうか。鹿のいるまちは世界
にどこかあるだろうか。からだも大きくその
存在感は予想以上に強い。小さなフォリー
のようなものである。


人のレイヤーと、建物のレイヤーに、鹿の
レイヤーが重なっているのだ。奈良はとても
不思議な都市体験ができるまちである。


子供に言われて気付いたが、奈良の観光
スポットはみな寺だということだ。そういえ
ば、世界の観光地も絶景の自然を除けば、
ほとんどが建築物である。


そんな奈良の旅であった・・・。