rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

建築の設計は難しい仕事だ


28歳で独立して、建築設計をもうかれこれ22年
も続けてきた。これは自分の力だけではなく、
周りの方々のお力添えあってのことだとしみ
じみ思う。


より豊かな建築空間を求めていくのは楽しい
が、奥が深すぎて極めるまでのところまでは
到底到達できないかもしれない。極めたら終わ
りだと思っているので、一歩でも先に進み続け
られたらそれでいいと考えている。


建築空間だけ考えていればいいわけではなく、
さまざまなファクターを複合的に解決していく
ことが求められる。クライアントとのコミュニ
ケーション、法的な問題、予算、工期のこと、
工法のこと、工務店さんや職人さんとの関係、
敷地固有の問題、などなど。それらを分析整理
し、よりよい建築をつくる最大限の状態で調整
していかなければいけない。なにしろ、クライ
アント家族の一生に関わる仕事をしているという
プレッシャーは想像以上に大きい。万全の準備
をしていても、実務的にうまくいかないことが
あることもも想定しながら仕事を進めていかな
ければいけない。酒を飲まなきゃやってられない
ときもある。毎日飲んでるか・・・。


ときどき、気持ちが弱っているときは逃げ出し
たくなることもある。でも、逃げないでプレッ
シャーに耐えながら設計をして行こうと心に
決めている。設計者は逃げないことこそが重要
なのである。どんな状況下でも建築とクライ
アントに寄り添い続けるなければいけない。


建築をクリエイトすることが好きだということだけ
に支えられている。一生の仕事と決めたことで
ある。この世から消え去るときまで、建築をつくり
続けていこう。