rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

グランド・ゼロ


昨日午前中、人文学系大学教員のtoshimさんhttp://d.hatena.ne.jp/toshim/20050408
現場打ち合わせ。建築の打ち合わせもおもしろいが、その他の話題も話せるのが毎回楽しみ。


toshimさんの「Daniel Libeskind, Breaking Ground (Riverhead 2004)」の書評を読む。<ダニエル・リベスキンドがポピュリストを自認している。>はじめてきくお話、興味深い。


グランド・ゼロは、イスラム原理主義者によって破壊された世界貿易センター跡の
高層ビル計画に、ユダヤ系建築家が起用されるという一件分かりやすいアメリカ的構図だが、
建築をやる前は数学と音楽を専攻していたユダヤ系のデコン建築家というリベスキンド
経歴を見ると、アメリカの隠れた複合的な側面も覗かせている。


ウルグアイ出身のヴィニオリのNY生まれのスタッフによそ者扱いされ、
マンチェスターの労働者階級生まれのノーマン・フォスターには、マンチェスター
戦争記念博物館を建てたことに嫌味を言われる。
そして、建築批評家のものよりJFK職員の批評を好ましく思い、<自由の女神像にすなおに感動する「一般大衆」の側につく>というポジション取り。
いまのリベスキンドの立ち位置はおもしろそうだ。