rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

現代観光地事情


きのうのみやげ話に続いて現代の観光地事情について話そう。


いま、各地の観光地はほとんどのところが不況にあえいでいる。
観光にいく人の望んでいるものと、受け入れる観光地の対応に
ズレがあるという単純な理由によるのではないかと考えている。


観光にいきたい人の望んでいることとはなんだろう。
私の個人的な意見を言わせてもらおう。


2つのパターンがある。
●1つめは、ホテルのように放っておいてもらいたい場合。
この場合、宿でのホスピタリティは必要としない。
食事も観光も外で済ます。必要なのは自然とまちのおもしろさ。
ある程度のバラエティあるおいしい食べもの屋や
気の利いたおみやげ屋さんが必要。
また、いきいきと生活している地元の人たちの姿が見えること。
●2つめは、いわゆる旅館で完全なホスピタリティを望む場合。
旅館そのものがよく、建物の立地、料理のおいしさ、くつろげる風呂、
などが必要とされる。この場合、建物外部で必要なのは豊かな自然。


いまのところ、1つめのものを人々は欲しているのではないか。
少なくとも私自身はそうだ。このタイプの宿なのに飲み屋や
おみやげ屋、その他の遊戯施設を囲い込んだものが多い。
このタイプは絶望的にいただけない。
まちを歩いておもしろい観光地ってほんとうに少ない。


このあたりに観光地再生のヒントが潜んでいると思う。


写真は庭のビワの実。