rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

村上龍のアナウンス


村上龍著の「蔓延する偽りの希望」
(すべての男は消耗品である。Vol.6)を
昨夜寝る前と、早朝布団の中で読み終える。
このシリーズは、女性誌に書いたエッセイ集で比較的軽めで
ファッショナブルな内容だったこともあり、
ちょっと敬遠していたので、村上龍の本にしては珍しく文庫本で読んだ。


読み始めると、ところがどっこい、今考えなければならないこと、
やらなければいけないことに関する重要なアナウンスだった。
それも2000年に書かれたものである。
彼のここで書かれた警告に、2005年も終わろうとしている今も、
まだほとんどの人が反応し対応し切れていない。


誤解を恐れず要約すると、今日のこの国の状況に対して、
メディアがちゃんと伝えなければいけないことはなにか、
個人が自分の頭で考え自立する必要性、さらに自立は不安と
セットであること。


文章にスピードがある。
短時間に書き上げて推敲なしにメールで編集部に送ったという状況が
目に浮かぶ。


ふと、本棚にある「超進化論EV.Cafe」村上龍+坂本龍一鼎談集を
引っ張り出してみた。(写真)
1985年の鼎談集である。20年前、彼らは30代半ば、私は25歳だった。
鼎談相手がこれまたすごい。吉本隆明河合雅雄浅田彰柄谷行人
蓮見重彦山口昌男、である。


20年前、自分がどう読んだか思い出しながらもう一度読んでみよう。
いまを考えるために・・・。