世の中のさまざまな人々と付き合っていると、
ものを考える立ち位置は様々である。なにが
よくてなにがわるいかなどという不遜なことを
いうつもりはないが、それぞれの人が偏りすぎ
ているような気がしてならない。
建築の設計は、敷地、法規制、予算、といった
現実と、美しく豊かな建築空間のあり方という
理想を調停するのが仕事だといっても過言では
ない。それゆえ、現実からも理想からも考え、
現実から理想への連続した点のできる限り多く
の点に立ち考えることではじめて、ほんとうの
建築を構想することができる。
現実と理想の間のみならず、地理的距離や
時空のできる限りの地点から世の中を見て
みたいと思っている。
できる限り多くの立ち位置で世の中を考える
ことを教えること、これこそが教育の本質では
ないか。
こういった発想すらない政治家を見るたびに、
毎度毎度がっかりさせられる。