rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

なるべく駆け引きしないという生き方


私は性格上、駆け引きするのが苦手である。苦手で
あるがゆえ、面倒くさいし、強いて言えば嫌いだ。
必要のない限りしたくない。


でも、どうしても必要なときもある。恋愛の核心は
駆け引きであるし、敵対する関係にある場合、駆け
引きなしではこちらに危険が及ぶことがある。


恋愛にせよ、敵対関係にせよ、なぜ駆け引きしな
ければいけないかといえば、実際より自分を大きく
見せて、相手に気に入ってもらったり、強く見せ
優位に立つことでものごとを自分本位に進めていき
たいと思うからである。


恋愛や敵対関係に関わる以外のところでは、できる
限り、駆け引きはしたくない。駆け引きするには、
自分の弱みを隠したり、相手の動きを読んで相手が
嫌がることをしたり、カードを切る順番を考えたり
しなければいけない。つまり、双方がブラックボックス
を持って、ものごとを隠しあいながら、窮屈に生活
しなければいけないのだ。そんなの面倒くさいに
決まっている。


建築、とりわけ住宅をつくる場合、目標はただ一つ
だけである。クライアント家族が、快適に豊かに
長く過ごすことができる住まいをつくることである。
ならば、素直に、クライアントと施工者と設計者が
知恵と力を出し合って、協力して住まいづくりを
すればいいだけである。


できるかぎり、ものごとはシンプルに考えて生きて
いきたい。なぜなら、私は生来の面倒くさがり屋で
あり、無駄なことに頭とエネルギーを使いたくない
からである。楽しい人たちと楽天的に前向きに生きて
いきたいと思う今日この頃・・・。