rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

変える、は、変わる


若い頃から、世の中のなにかを変えなければ
といつも思い続けてきた。それも、こちらは
変わらないまま、相手を変えなければと思って
いた。


30代半ばくらいから、これはどうやら違うぞ、
と感じるようになった。変える相手に合わせて、
こちらも変えていかなければ、二つの関係は
変わらない。考えてみれば、当たり前のことだ。


20代の頃は、一貫性や自己同一性にこだわり
続けていた。ある種の潔癖性を追い続けて
いたのだ。自己同一性なんて、西洋の哲学的
な妄想なのかもしれない。きのうの自分と、
きょうの自分は、生物学的には、まったくの
別物だと、養老孟司先生もおっしゃっている。


日々、自分は変化し続けている、同じように、
日々、他人も変化し続けているのだ。他人や、
世の中を変えるには、常に変化していること
を見据え、自分も波に乗るように変化していく
ことで、波長を同調させながら、変えていく
のが、お互いにとって、有用で効果的である。


やはり、変える、は、変わるなのである。