建築の仕事は、関わる人の人数、業種も多く、
ものごとを相対的にとらえながら仕事をして
いかないと、ハチャメチャなことになる。
しかし、ずっと、相対的に考えながら仕事を
していると、自分で考えるという独自の思考
方法が少しずつ喪失していく。
たまに、一方で、独断と偏見でものごとを
考えてみるという訓練をしていないと、自分
の立ち位置が見えなくなる。
建築の設計というものは、基本的には相対的
にものごとを進めていかなければスムースに
仕事が回っていかない。ただ、これだけでは、
新しい境地は開けない。建築家が、独断と
偏見でデザインしてみるという、向う見ずな
行為があってはじめて、今まで見たことがない
ものや、気付かなかった豊かさを手にする
ことができる。なんでも、一辺倒というもの
はよくないのだろう。壁にぶち当たったときに、
なにもできなくなってしまう。
これからも、ときどき非相対主義でいこう。
