rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

諸領域をテキトーに横断して生きていく


社会が成熟してくると、世の中は、職業、階層、
地域など、自分の領域に固執し、それぞれが
閉鎖的になり、発展途上の領域を超えた活発な
交流は消滅していく。


いまのこの国は、そんな状態に陥って、身動きが
取れなくなっているような気がする。もっと、
諸領域を横断しながら活動していけば、もっと
もっと、エキサイティングなものを生み出して
いける。


建築には、特にその可能性があると思う。取り
まとめる職種の多さ、実生活から芸術的領域まで
幅広い職域は、他の業種とは比べ物にならない。
また、職業を通して出会う人たちの幅の広さも
これまたものすごく多い。建築こそ、領域を横断
することが宿命付けられている職業だということ
もできよう。私自身も、できる限り、諸領域を
横断していくことの重要さを伝えていければと
思う。


横断していくときは、その先を計画的に読み取って
行動してはいけない。計画性に未来のないことは、
もうすでに歴史から学んだことではないか。


諸領域に、微小な関連性を見出し、つながること
のおもしろさがあれば、流れに身を任せ、軽やかな
ステップを踏みながら、テキトーに横断していく。


これが、これからの世の中の渡り方の流儀である。