rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

最悪の事態をイメージしながらコミュニケートする


いろいろなことが最善であることは、これ
ほど喜ばしいことはない。しかし現実はそう
はいっていられないことが多い。


いままでの仕事の中で、失敗したことを思い
出してみると、状況はかなり良くないのに、
誠心誠意真心を込めてやればなんとかなる
のではないかと、一筋の希望の糸に頼り、
最悪の事態になったときのことをイメージ
していないときの失敗はこれはもう目も当て
られないことになってしまう。


状況がいいときにでも、最悪の事態もイメージ
しておくこと、たとえそうなったとしても、その
事態を少しでも良くすることをあらかじめ
考えておくこと、これが重要なのである。


国のことにまで広げて考えることができる
かどうかわからないが、第二次世界大戦
とき、日本が開戦せざるを得なかったのは、
アメリカによって石油が絶たれることを心配
しながら、それに対する対応策を考えていな
かったことにあるような気がする。開戦した
後も、軍事力の格差によって敗戦することを
イメージしないで、精神という糸にすがって、
最悪の事態を招いてしまった。


バブルのときも同じだったと思われる。それに
また、建築基準法改悪もまた・・・。思い起こす
と、このことが原因である最悪な事態は結構
多いのではないかと思う。


いつも、希望をもちながら、同時に最悪の
事態をイメージしてコミュニケートすること。