rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

なにをどうコミュニケートすればいいのか


世の中のノウハウ本などでは、人と人の間の
コミュニケーションの必要性をしきりに説いて
いる。しかし、人との付き合い方などの浅い
テクニックなどについてしか語られておらず、
なにをどうコミュニケートすればいいかについて
はほとんど言及されていない。


なにをどうコミュニケートするかが重要である。
人と人とが関係し合うとき、なにが接点となる
かといえば、いかに共通の話題や目的を持てる
かが、関係をよりよくしていくためのきっかけと
なる。


友人などの場合、そもそも共通のなにかがある
ことが、親しくなるきっかけになるので問題ない。
しかし、仕事となると、そうはいかない。仕事で
関係し合う上で、共通の目的を見出すことが
できるかどうかが、コミュニケートできるかどうか
の別れ道となる。


住宅の設計の場合、それは結構簡単である。
目的は、ただ一つ、建て主さんがこれからの
将来、長きに渡って、快適にハッピーに過ごす
ことができる住まいをつくることにある。建て主
さんも設計者も施工者も、この目標に向かって、
協力し合っていけばいい。そのときに、その目標
に向かって、お互いなにを話し合い伝え合って
いけばいいかが、その過程こそが、コミュニケー
ションなのである。


なにをコミュニケートすればいいか。それは共通
の目標を見つけ出し、協力してよりよい道を対話
の中から導き出して、具体的に実行していくこと、
ただ、それだけでいいのである。