世の中のノウハウ本などでは、人と人の間の
コミュニケーションの必要性をしきりに説いて
いる。しかし、人との付き合い方などの浅い
テクニックなどについてしか語られておらず、
なにをどうコミュニケートすればいいかについて
はほとんど言及されていない。
なにをどうコミュニケートするかが重要である。
人と人とが関係し合うとき、なにが接点となる
かといえば、いかに共通の話題や目的を持てる
かが、関係をよりよくしていくためのきっかけと
なる。
友人などの場合、そもそも共通のなにかがある
ことが、親しくなるきっかけになるので問題ない。
しかし、仕事となると、そうはいかない。仕事で
関係し合う上で、共通の目的を見出すことが
できるかどうかが、コミュニケートできるかどうか
の別れ道となる。
住宅の設計の場合、それは結構簡単である。
目的は、ただ一つ、建て主さんがこれからの
将来、長きに渡って、快適にハッピーに過ごす
ことができる住まいをつくることにある。建て主
さんも設計者も施工者も、この目標に向かって、
協力し合っていけばいい。そのときに、その目標
に向かって、お互いなにを話し合い伝え合って
いけばいいかが、その過程こそが、コミュニケー
ションなのである。
なにをコミュニケートすればいいか。それは共通
の目標を見つけ出し、協力してよりよい道を対話
の中から導き出して、具体的に実行していくこと、
ただ、それだけでいいのである。