rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

武道的身体


前にも書いたことがあるが、いつも意識的に
思い出すようにしていること。それが武道的
身体である。


一対一で対戦する武道は、相手より力が上回る
ことで、勝敗が決まるのではなく、二人で一体
と化した一つの身体をどちらがコントロールする
ことができるかで勝敗が決まるという考え方
がある。


仕事上のコミュニケーションにおいても、同じ
ような局面が多々ある。同じ目的に向けて仕事
を進めている場合、深く対話しいっしょに考え
ていると、一体感というかグルーヴ感というか、
二人が一つの生命体のように感じることがある。
こうした状態がつくれた場合、プロジェクトは
その時点で成功している。


建築の中でも、とくに住宅の場合、この武道的
身体の一体感を共有できるかどうかが、いい
仕事ができるかどうかの別れ道になる。


こんなことを考えながら、日々設計をしている。


夏休みを取ろうということで休み前に一仕事
終わらせておきたいと考えていることに加えて、
ここのところ、複数の仕事がほぼ同時に一気に
動き出したので、ちょっとあたまがてんてこ舞い
状態である。


気を取り直して、態勢を整えなければいけない。