rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

意思はどのように形成されるか


きのう、意志こそ価値があるものと書いたが、
その意思とはどのように形成されるものなの
だろうか。


それは、周囲の身近なことから、より幅広い
「世界」を知ることだろうか。世界は差異で
できている。世の中の、多様な差異や格差を
知ることが重要だ。それも実体験としてで
ある。


自分の経験で言うと、修行時代のある時期は
精神的にかなり追い込まれていた。自分の中
では最悪の時代である。デザイン哲学と現実
の中で板ばさみになっていた。今振り返って
みるとそんな世界が現実にあったことさえも
不思議なものに思われる。


独立後も、最初から仕事があったわけでは
なかった。直接には建築の設計とは関係ない
仕事で長い間食いつないでいた。その間は、
建築の外から建築を見続けていた。


このように、精神的経済的に最悪の状態を
経験し、モノゴトの様々な落差を身をもって
感じてきた。このことが、今の自分の建築へ
の意思をかたちづくっていると思う。


いろいろな経験をして、「世界」を立体的に
知ることが重要だ。