忙しさにかまけて、ゆっくり本を読んだり、
深く思考する時間がとれない。いや、取れ
ないというより、あまりあたまが働かない
周期に入っているのかもしれない。
確かではないが、自分の場合、この周期が
年に4回あるような気がする。それは四季
とは一致するわけではないが、ものごとを
深く考える時期、深く考えられない時期、
が交互にやってくる。いまは、その後者に
当たる。
深く考えられないから、なにもしなくても
いいかというとそうでもない。深く考えた
時期の脈絡を一掃したいという願望が深く
考えられない時期をもたらしているのかも
しれない。
さらにもう一歩進むために、以前の思考を
いったん断ち切って、新たな構築をする
準備期間なのかもしれない。
だからこそ、そんな時期には、新しい本を
読んだり、普段合わない人と会って新しい
話をするのがいいのだろう。
本を読むことは、過去の他者、会うことの
できない他者と出会うことである。人と
会うこととは、現在変化し続けている生身
の他者と会うことである。
いずれにしても、人間はなんらかの他者の
思考を知ることでしか自己を相対化すること
はできないのである。
そうしてきょうも、あたまのゼンマイを巻き
続ける。