rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

エネルギー保存の法則


石油を掘り、精製し、その燃焼でエンジンを
動かす。それぞれの過程で、燃焼→動力→熱、
というようにエネルギーの形態は変化するが、
エネルギーの総量は変化しないという理論で
ある。


その理論からすると、もしも、熱や光などの
エネルギーの出入りのない完全に外部と遮断
された小箱をつくることができたら、その内部
では永久機関をつくることが可能になる。


実際の世界でのこの小箱は、宇宙ということ
ができるのだろうか。もしそうだとすれば、
宇宙内のエネルギー総量は一定であり、その
中では永久運動が繰り広げられていることに
なる。この永久運動はだれのなんのためなの
だろうか。いや、だれのなんのためでもない。
ただあるだけのものである。人間のためを
はじめ、だれのためなんのためを考えると
すぐにこの永久運動に不均衡が生じてくる。


だれのため、なんのためは、限定的にもの
ごとを考えるときにはかなり有効なもので
ある。しかし、宇宙の総体を考えるときには、
だれのため、なんのためははずしたほうが
いいようである。