rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

立ち位置


だれかと対話しようとするとき、自分もそうだが
相手の立ち位置が明確でないと、対話そのもの
が成り立たない。


立ち位置は、どういう方法で示すことができる
のだろう。まずは、その人がなにをどのように
考えているかである。もう一人の考え方との
差異で立ち位置は決まる。


では、なにをどのように考えるかはどこから
来るか。根本的なところでは、自分がなにもの
でどのように生きていきたいかというところまで
行き着く。こうした思いは、ある状況、とある人
によって、自分の存在を脅かすまでに追い
詰められた経験によってつむがれる。現在は、
そうした実存に関わる部分にはなるべく触れ
ないでも生きていけるように社会システムが
つくられている。それゆえ、実存的な核を持た
ない人が増えているように思えてならない。


実存と意思が、人の立ち位置を決める。とこ
とん考え尽くすこと、それこそ今、この状況に
おいてもっとも必要なことのような気がする。