分類することは、世界を把握することと
同義である。
似たようなものが2つあるとする。その
類似点と相違点を認識し、さらに名称を
つけることが分類の第一歩である。
つぎに、類似点から、似通ったグループ
を見い出し、世界にあるあらゆるものを
グルーピングすることが行なわれる。いわ
ゆる体系化である。
このように、世界を分類し体系化すること
で、人間は世界をとらまえようとしてきた。
これが科学の起源である。
ジャン・ボードリヤールは、「物の体系」と
いう本で、資本主義社会の中で消費される
商品をこれと同じような手法で社会科学的
に消費社会を認識しようとした。いまから
考えてもとてもエキサイティングな試みで
あった。
日本語に、「分別がある」ということばが
あるが、とりもなおさず、世の中のことを
正確に分類しよく理解していることをいう。