rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

豊かさについて


なにかを語るとき、何気なく気軽な気持ち
で「豊かな」という形容詞をついつい使って
しまう。


豊かさってなんだろう。お金があったら
豊かなのだろうか。もちろん、生活する
ための最低限のお金がないと、生きていく
こと事態大変なことになる。生活するため
以上のお金があったとしたら、いろいろな
ものが買える。土地、家、様々な工業製品
・・・などなど。お金はものを買うための
道具である。買われたものは人の生活を
快適にしたり、楽にしたりするものである。


でも、それで豊かになれるのだろうか。
孤島で一人で生活していて、お金やもの
を溢れるほど所有できれば豊かだといえ
るのだろうか。おそらく、そうではない。
ものによってできることは限られている。
しかし、人とのコミュニケーションを助け
てくれる機能がものには備わっている。
交通機関、通信機器、書物・・・など。もの
は人と人とが、分かり合ったり、共感感動
ししたりするための道具なのである。


建築の豊かな空間も実は、人と人との豊か
なコミュニケーションを助けるものである。


豊かさとは、人と人とが分かり合い、共感
感動し合えることである。