rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

考え方をシンプルにする


単純に、ものごとをただシンプルに考える
ということは、なにも考えないことに等しい。


シンプルに考えるのではなく、考え方を
シンプルにすることが重要だということに
ついて書いてみたい。


歳を取れば取るほど、同時に判断しなけ
ればならないことが増えてくる。それも
さまざまな次元の問題を同時に考えなけ
ればならない場面に遭遇する機会が増え
る。忙しければなおのことだ。


仕事が多くあって、それぞれの仕事をシン
プルに考えていたら、各仕事を単純化する
ということは深く考えることなく、仕事ごと
に異なる考え方をしなければなくなる。そう
すると、仕事ごとに次元の違う問題が生じ
る可能性がある。


そうした各仕事を単純化することによる問題
の複合化を避けるにはどうすればいいのだ
ろうか。各仕事を単純化するのではなく、
仕事に対する考え方を単純化するしかない。


まずは、生き方、世界に対する考え方をシン
プルにし、仕事に対する考え方もシンプルに
する。その考え方を応用して各仕事に当たる。
そうすれば、同時に多くのことを考えること
ができるようになる。また、生き方も楽になる。


シンプルに生きることを阻害するのは、駆け
引きやブラックボックスを抱えることである。


自分の社会に対する責任を全うし、外部に
対してオープンに振る舞うこと、これこそ
いま世の中でもっとも求められていること
のひとつのような気がする。