rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

人と世界のつながり


ふと普通に生活しているときに、どこからくるの
か分からない、不可解な息苦しさに襲われる
ことがある。フィジカルな病気ではなく、意識的
な問題である。


実際、人と世界のつながりは基本的に五感
のみに頼っている。その不可解な息苦しさは
五感に対する頼りなさによるもののような気
もする。その気持ちに襲われると、外部から
隔絶され、とても心細い気持ちになる。


数年前に耳の炎症で片耳の聴力がかなり
衰えたことがある。そのときも、片耳が聞こえ
ないだけなのにすごく不自由を感じ、世界から
孤立している感覚を覚えた。


視力が少しでも衰えると、世界から切り離さ
れていくような気持ちに襲われる。


ダイビングをしたときは、空気のない水中世界
で、地上の空気から遮断され、ボンベの酸素
に呼吸を頼っているときも同じ感覚になった。


このように、人と世界のつながりは頼りなく
心細いものだ。だからこそ、宗教家たちは
スピリチュアルな方法で世界との一体化を
目指すのだろう。