rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

後の先(ごのせん)


きのうの夜のテレビで白鵬の強さを分析
する特別番組を観る。


その中で、69連勝の記録を持つ双葉山
の戦法として「後の先(ごのせん)」が紹介
された。立ち合いで、相手より一呼吸遅れ
て仕切り、いったん相手の攻めを受取り
勢いを吸収し、力の流れに沿って有利な形
で攻め返すというものである。白鵬もこの
戦法に基づいて相撲をしているということ
だ。


一呼吸置くことで、相手の戦法や動きを
見極め落ち着いて戦うことができるのだ
ろう。ちなみに連勝をストップさせた稀勢
の里と対戦したときは、張り手されたこと
で平常心を乱してしまったことが敗因と
なったらしい。


これを可能にしているのは、白鵬の筋肉
の強靭さと反応速度の速さである。なんと
陸上の100m世界記録記録保持者のボルト
のスタート時の反応速度とほぼ同じだと
いうことだ。


対話においても、精神の強靭さと素早い
反応速度を身に付ければ、相手の発する
メッセージをしっかりと受け止め、力の
流れをつくり、ただの勝ち負けではなく
正確に深く対話し合うことができるだろう。


「後の先」、なかなか深い言葉である。