rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

ものごとはライブで動く


国家間交渉から日々の仕事の打合せまで
あらゆる交渉事は、生身の人と人が顔を
つき合わせて相手の出方を見ながら次に
どのカードを出すか、それに対して相手
のどんな反応が予想されるかを想定して
打合せを進めていく。交渉というものは
文書を取り交わして決まるというスタティッ
クなのものなどではなく、流動的でライブ
のようなものなのである。


相手の言っていることをいったん自分の
からだの中にしみ込ませる。それを自分
がもっていきたい方向に展開させるため
に相手に対して言葉を発する。相手も同
じように返してくる。この繰り返しこそが
交渉であり対話というものなのである。
相手と自分が一体化していく中で、お互
いにとってよりよいように全体をどのよう
にコントロールし動かしていくかが交渉や
対話に求められるものだ。


内田樹さんが仰っている「武道的」なる
ものだということもできる。あらゆるもの
ごとはライブで動いていくものなのだ。