rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

初対面の人と出会うこと


建築のイベントやパーティに出掛けると見回す
とほとんど初対面の人たちということがよくある。
それでも思い切って自分をさらけ出してみると
相手もさらけ出してきてくれるということがよく
ある。出会いというものは大抵出会い頭なもの
である。そこで、波長の合う人、これからなにか
をいっしょにしていける人と知り合っていくこと
になる。いま、様々な分野でお付き合いのある
人もこうして知り合ってきた。


前にも書いたことがあるかもしれないが、小学生
の頃、実家のおもちゃ屋の店番をさせられるのが
とにかく嫌だった。初対面の人と話すのが嫌いだ
った。そんなこともあって、建築家の道に進めば
人と話をしなくても仕事ができると思いこの道に
入った。建築の中でも住宅の設計が多くなって
きてふと振り返ると、究極の客商売をやっている
ではないか。人生に関わり、大金を動かす。人生
って因果なものだなと思う。


嫌いだったり苦手だったりすることは、マイナスに
働くと思われがちだが、実はそうではない。小器用
にこなせる人はコトの根幹に触れることが少ない。
不器用なら不器用なりにコトの本質から見つめ
直すことでいろいろなことが見えてくることがある。
コミュニケーションならコミュニケーションの本質
とは何かを考える機会が与えられるのは、それに
関して不器用な人の特権である。


そんなことで、いまでは人と出会うこと、そして建築
を設計していくことが好きで好きで仕様がない。