約一か月前に亡くなった、赤瀬川原平さんのことを
ときどき思い出す。
ハイレッドセンターや1千円偽造事件など前衛的な
アーティスト活動で知られているが、いずれの作品
にもユーモアがあふれている。
トマソンや老人力などは、ユーモアを前面に出して
いるが、根本にはラジカルな思想が流れている。
原平さんとは一度、二言三言お話させていただいた
ことがある。ご自宅の「ニラハウス」を拝見させていた
だいたときである。藤森照信さんと共同設計をして
いる人が高校時代の同級生だったからその機会を
得た。原平さんご自身は、ゆったりとした優しい方で
あった。一かけらも前衛的な感じはしなかった。
植田正治氏も然り、前衛的だがユーモアを備えた
アーティストが好きである。自分もそんな建築をつく
りたいといつも考えている。