rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

現代世界情勢と歴史


しばらく前までは、日本の戦前史戦後史に
関する本を中心に読んできた。


ここのところは、中東情勢関連の本を読ん
でいる。


現在、南沙諸島、シリア、ウクライナの諸
問題が並行して進んでいる。いろいろな
本を読んでいくうちに、これらの問題はここ
最近急に発生した問題ではなく過去の歴史
的事象によって引き起こされていることが
見えてきた。現在を理解するには過去の
歴史を参照することなしにはできないこと
も分かってきた。


現在の中国の南沙諸島問題は、600年以上
前の明王朝に端を発しているらしい。中華
と辺境諸国と海洋の関係は明王朝を顧みれ
南沙諸島の諸問題は中国にとって当たり
前のものに見えてくる。トルコとイランはそれ
ぞれオスマン帝国ペルシャ帝国の復活を
目指していると見れば、両国の現在の動き
は理解できる。


シリアを巡る混乱は、第一次大戦中の英仏露
による条約で、線引きのなかったシリアと
イラクの国境を定めたことに端を発している。
それが、クルド人問題、イスラム国問題と大
きく関わっている。


ウクライナの問題は、過去に東部を支配して
いたオーストリア・ハンガリー帝国の影響と、
ソビエト時代の軍事産業基地化と諸々の変動
による軋轢が今になって噴き出してきている
らしい。


近代ヨーロッパの問題は、第一次大戦前から
2度のドイツの台頭によって大きく揺るがされ
てきた。現在のEUにおけるドイツの勢いは
過去2回のドイツの変貌と関係がないわけで
はないだろう。


まとまりなく書いてきたが、現在は過去の歴史
によってかなりのことが規定されている。歴史
はただ過去のことを知る教養ではなく、今を
知るための知恵としてとらえる必要がある。


ここのところの読書からこのようなことがだん
だん見えてきた。もう一度しっかり世界史を
学び直さなければいけない。