rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

利他性と贈与性


オーストリアの選挙で、反グローバリズム
内向きな政党が勝利した。世界中で地域
主義的な動きがみられる。


グローバル資本主義は新たなフロンティア
がなくなり、向かうべき方向を見失っている。
それにもかかわらず、現状維持の状態で何
とか体裁を整えて存在している。


グローバリズム資本主義は、費用対効果、
物事の数値化の考え方を世界中に押し広
め発展してきた。教育、医療、デザイン、
音楽、政治など本来は数値化とは異なる
方向を向いているものにも、費用対効果
と数値化による運営を推し進めてきた。
とくに教育はそれらの悪影響もっとも被っ
ている分野である。


こうした、費用対効果、数値化と相性が
悪い分野は本来持っていた利他性および
贈与性を復活させないと大変なことになる。
社会そのものの存立を危うくする可能性
があると思う。


反グローバリズムの流れの中で社会が
利他性と贈与性を復活させていくことを
望みたい。