rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

組織を持続していくこと


独立して17年経った。
独立時は、資金難等の問題があって友人と3人で事務所を共同設立した。
創立メンバーでまわしていたのは3年くらいだっただろうか。
その後人が入れ替わり、気が付けば創立メンバーは私だけになっていた。
組織というものは3年くらいは同じ方向に向かって進んでいけるが、
それ以降はメンバーのコンテクストも変化しばらばらになっていく。
そして、組織内の取り決めはルーティン化していろいろなことが形骸化してくる。


また、数年前NPO化をめざした集まりを立ち上げた。
意識同じくしている人なら何人でも集め大きくしていこうと考えた。
同じ方向を向いていればいくら人が多くてもいいと考えていた。
しかしこれもうまくいかなかった。
比較的人数の多い集まりであることから、そこに属していれば
待っていれば向うから話が来るという風潮になっていった。
また、決定するのにメンバーの過半数以上の賛同がなければ動けなくなってしまった。
このような集まりの特色である、決定と行動の速さが損なわれていった。


これらのことから次のようなことを学んだ。
意志を持続でき、自立的にものごとを考え行動できる個人が集まり、
1対1の対話のネットワークを構築していくこと。
そして、少人数のグループで素早く適確に行動し実行していく。
もし、それぞれのメンバーのコンテクストに変化が生じても柔軟に対応できる、
限定的ではなく希望のもてる柔らかなルールのもとに、組織自体も変化を
許容できるようつくっていくこと。