rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

木香薔薇(モッコウバラ)


たしか、1996年だったと記憶しているが、
私の実家のある温泉まちの活性化について地元の商工会の方々に
レクチャーする機会があった。


その東郷温泉とは、鳥取県東郷池という
周囲12kmの池のほとりにある温泉まちである。
当時、鳥取県は中国河北省と姉妹都市交流があり
東郷池のほとりに燕趙園という国内最大級の中国庭園を完成させつつあった。


それに関係して、私のレクチャーは、中国のイメージを意識した
まちづくりをしようというものだった。
池を利用した観光施設、中国にちなんだまちづくりの展開が
主な提案だった。


その提案の中で、強調したことが二つあった。
ひとつは、みんなが参加できるまちづくりであること。
もうひとつは、あまり予算をかけないですぐに始められることから
着実に進めていき、だんだんと計画を展開していくことだった。


その具体案として、中国原産である木香薔薇でまちを覆い尽くそうという提案をした。
これを快く受け取っていただいた商工会婦人部の方たちの手によって
木香薔薇をまちに展開する活動が始まった。
その後この活動により全国表彰されるまでに至った。


5年前にうちの庭に木香薔薇を植えた。
その薔薇が今週あたりからちらほら咲き始めた。
東郷町あらため、湯梨浜町の木香薔薇はもう咲いているだろうか。