rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

忙しいからできること


年に数戸の住宅を自分ひとりで設計していたころは、
各住宅の設計にどっぷりつかりながら日々を過ごしていた。
今考えてみるとかなり偏った精神状態で仕事をしていた。
それはそれで意味のあることだったと思う。


最近、数多くの住宅を手がけるようになって、
一戸一戸、設計に没頭するということができなくなったのは
ちとさびしいが、仕事が多い分全体が見渡せるようになった。
各クライアントの要望を相対的に理解できるようになったし、
ある現場で考えていることを別の現場で応用してみることが
できるようになった。


なによりいいことは、設計中のクライアントに4〜5戸の
オープンハウスを見てもらえるようになったことだ。
設計中の住宅と比較して見てもらえるので設計にブレが
少なくなった。


ものごとには、わるいことがあればいいことがある。
いろいろなことが相対的なのだ。