rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

見積は複雑系・・・


見積に苦しむ日々が続いている。想定通りの予算
にソフトランディングさせるのが難しくなってきている
ような気がする。


そんなことできょうは見積について考えてみた。


見積は、まず工務店によって考え方が違うのでそれ
だけでも大きく異なる。同じ工務店だとしても、現場
の条件によってはこれまた価格に大きく響いてくる。
それと時期によって金額が変わることもある。物価
は変動するし、天候も変化する。また、いつも同じ
下職さんに仕事を出せるわけではないからだ。


また、見積を出す設計事務所によっても工務店
対応は異なる。現場で変更を出すことの多い設計
事務所には、当然安全率を見る。つまり、見積を高く
出すということだ。


このように、諸条件によって、見積は変化していく。


ついつい気持ちを緩めると、見積金額に大きく反映
され、痛い目に合うこともある。建て主さんのご要望
をすべて盛り込む設計だと当然見積もり金額はオー
バーする。そんなこともあって、いままでに70戸以上
の住宅を設計してきたが、予定金額内に納まったの
はたった2戸だけである。


ということで、見積は複雑系なのである。