むかし、スキー場を滑り降りてくる女性の
スキー靴がプラスティックの劣化で、バラ
バラになっておりてくるところを見たこと
があるが、これは決してヒトゴトではない。
きょうの朝、練馬に現地調査に行ってきた
のだが、新宿駅構内を歩いているうちに、
足元に違和感を感じる。ふと見ると、なん
と靴底がパカパカ開いて取れそうになって
いるではないか。履いて行ったのは、前
から好んで履いていたお気に入りの山靴
だったが、数年履いていなかったのがいけ
なかった。靴底の樹脂部分が劣化して
はがれてきたのだ。
数年前にも同じようなことがあった。親戚
の葬式に列席したときのことだ。葬儀場を
移動しているとき同じように靴底が突然
はがれた。礼装の靴など数年に一回しか
履かない。それが原因だったのだろう。
町中で靴底がはがれるのは、他のいろいろ
な苦痛の中では、一見深刻ではなく、お笑い
のようにユーモラスなもののように感じられ
るかもしれないが、はがれる本人は、たまっ
たものではない。言い表しようのない不思議
なこころの苦痛を味合わされる。おそらく、
その場ではなんの手の施しようがないのが
その理由なのだろう。
とにかく、平静さを装うことがその場をしの
ぐ一番の対処法である。みなさんも、数年
履いていない靴を履くときは、注意された
方がいいかもしれません。