rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

熊本地震調査


8日(水)〜9日(木)、1泊2日で友人と2人で
熊本に行ってきた。熊本に住んでいる共通の
友人をお見舞いに行くためと、地震調査を
するためである。


8日(水)午後2時に熊本空港に到着し、近く
でレンタカーを借りて、まずは益城町の様子
を見に行く。想像していたのよりかなりひど
い。古い木造住宅は軒並み倒壊している。新
しいものでも、地盤が悪く基礎がしっかりし
ていないものは被害を受けている。また耐力
壁が4分割法で構造計画されていないものも
倒壊しているものが多い。阪神大震災以降の
基準で構造がつくられているものは被害が少
ない。鉄骨造でも、古くて施工不良のものは
倒壊しているものもいくつか見られた。RC造
にものは倒壊は免れたもののクラックが入っ
ているものが多く見られた。車で熊本駅
まで行き、レンタカー会社に車を返し路面
電車で中心街に向う。ホテルにチェックイン
し、夕方友人に蔵までピックアップしてもら
い彼の家に行く。夕食をご馳走になる。その
あと、3人でタクシーで中心街に戻り何軒か
飲み屋をはしごする。時計を見ると午前1時
半、ホテルに戻りすぐに床に就く。


翌日、2人で徒歩で熊本城に行き被害状況を
見る。かなりひどい壊れ方をしている。よう
やっと、石垣の石のナンバリングが始まった
ばかりで、復旧が終わるのはかなりの時間が
掛るかもしれない。そのあと、路面電車を使っ
て市内の被害状況を見て回る。益城町と比べ
ると被害は小さいが、古いものの被害は結構
見受けられた。


午後2時半ごろ、友人が車で来てくれ市内に
ある建築をいろいろ見に連れて行ってくれた。
空港に向う途中、再度益城町により車を降り
て町を見て回る。被害が酷い地域でも最近
できたものは無傷のものがいくつか見受け
られた。地盤改良をしっかりやり、しっかりと
した基礎をつくり、最新の構造基準に則って
つくられたものは被害が少ないようだ。


被害状況を見て回って感じたことは未だに
復旧に向けてのアクションはほとんど行わ
れていないということだ。いろいろなところ
を回ったが、解体工事をしているところは
5〜6箇所しか見ることが出来なかった。まだ
調査段階だからということも言えそうだが、
なにも進んでいないところを見ると悲しく
なる。メディアでの報道も少なくなり忘れ
られていくのが怖い。復旧はまだこれから
だと声を大にしてアナウンスしていきたい。


飛行機で熊本を離れ家に着くと午後10時過
ぎ、風呂に入ってビールなどを飲むとすぐに
睡魔に襲われ就寝する。