rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

バッファーという考え方


これまで、ものともの、人と人、などの間にある「境界」に
ついてなんどか言及してきた。


建築でいうと、敷地境界線、建物の外壁がそれにあたる。
建物は境界面でまちや他の建物と隣接する。
まちや建物と直接対峙すると、建物も住む人もしんどい。
対峙の仕方を緩やかにし、柔らかな関係をつくるのが
「バッファー」の役目である。


まちや他の建物と分離するのでもなく、直接接するのでもない
良好な関係があってこそ、建物と建物、建物とまちの関係は
うまくいくし、より豊かなものになる。


バッファーをどうデザインするかは建築家の腕の見せ所だ。


写真は、緑道に隣接する住戸間を取り持つ木々。
建物と建物の関係より木そのものがちょっとしんどくなって
いるところがちと心苦しい。


人と人の間にもバッファーは必要だ。
それがないと関係がギクシャクする。
そのバッファーとは、人を尊重し合う気持ちである。
国と国の間にも尊重しあう気持ちがあれば戦争など起こらない
はずなのに・・・。